後立山(長野) 布引山(2683m)、鹿島槍ヶ岳南峰(2889.2m) 2020年9月5日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:18 大谷原−−1:12 西俣出会−−2:34 高千穂平(標識)−−3:28 県境稜線−−3:37 冷池山荘−−3:44 テント場−−4:28 布引山−−5:11 鹿島槍ヶ岳南峰(休憩) 8:00 −−8:23 布引山−−8:50 テント場−−8:55 冷池山荘−−9:06 赤岩尾根入口−−9:36 高千穂平(標識)−−10:15 西俣出会(水浴び) 10:21−−11:00 大谷原

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2020年9月5日 日帰り
天候晴後霧(下界は晴)
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場大谷原に駐車場あり。今年は橋を渡った対岸の駐車場も利用可能。それを知らない登山者が多く、こちらの駐車場は3台のみ
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント天気予報は微妙だったが鹿島槍へ。結果的には前日も翌日も悪天でこの日だけ好天に恵まれた。午前の早い時間帯からガスが上がってきて日の出に合わせて山頂到着して正解だった。早朝は大展望を堪能でき大満足。この日から新デジカメに切替たが性能に満足。




久しぶりの大谷原 ゲートを通過
薄雲がかかり月の周囲に虹が出ている 北股本谷の堰堤を潜る
高千穂平の標識。正確には高千穂平ではない 高千穂平の標識から見た大町市街
鎖場 県境稜線に到達
冷池山荘 平日夜なのでテントは少ない
布引山 4時45分くらいでライト不要な明るさに。同時にライトが電池切れ
鹿島槍山頂(南峰)到着。日の出に間に合った 日の出直後
気温は+10℃。ほぼ無風がありがたい 徐々に日当たりが標高が低いところに移っていく
日の出直後に撮影した八ヶ岳〜南アルプス。深南部の中ノ尾根山まで見えていた(クリックで拡大)
立山の左側に白山 富士山
水蒸気の雲がたなびく浅間山。湿度が高い証拠 飛行機雲も湿度が高い証拠
黒部川方面に富山平野と日本海が見えた 大窓の向こうにも富山平野
中央アルプス〜槍ヶ岳(クリックで拡大)
槍ヶ岳〜薬師岳(クリックで拡大)
立山〜剱岳〜剱岳北方稜線(クリックで拡大)
後立山〜頚城山塊〜志賀高原〜浅間山(クリックで拡大)
鹿島槍東尾根
穂高連峰。北穂高小屋が見える 種池山荘
イワヒバリ 下山時の鹿島槍南峰
徐々にガスが発生し始めている イワギキョウ
まだ山頂が見えている 牛首山
ハクサンイチゲが数輪残っていたのには驚き トウヤクリンドウは多数あり
イワツメクサ 布引山手前で猿の群れ登場
布引山にもガスがかかりだす ミヤマコゴメグサ
ウラシマツツジは紅葉し始め 布引山
布引山からの下り ヤマハハコ
タカネツメクサ オヤマリンドウ
ミヤマアキノキリンソウ たった一輪残ったミヤマキンポウゲ
数輪残ったミヤマキンバイ シシウド
冷池山荘のテント場。信州側はガスで真っ白だが富山側は晴れている
冷池山荘 冷池山荘から大谷原まで4時間半とのこと
20人ほどのパーティー 赤岩尾根分岐まで登り返し
赤岩尾根分岐 赤岩尾根分岐から鹿島槍方面。ガスが濃くなってきた
立山、剱岳もここでお別れ ガレ
シラタマノキの実がたくさんついていた 白樺平
オヤマリンドウ 高千穂平
大谷原の駐車場が見えた 高千穂平の標識
高千穂平直下で熊避け鈴が落ちていたので木にかけておいた たぶんしおれたカライトソウ
遭難慰霊レリーフ ゴマナ
ヤマアジサイ 堰堤中のトンネル
林道終点から北股本谷に下って水浴び 去年もやっていた砂防ダム工事
工事中はゲートではなく施錠された鎖がかかっている 橋の北側の駐車場。出発時から1台増えている
橋の南側の駐車場 県境稜線はすっかり雲の中
私が使っている新旧デジカメ


・今週末も微妙な天気予報だ。気圧配置は相変わらず山にとっては良くなく、南から湿った風が入り込むパターンが続いている。しかも今週は沖縄付近に台風があり、そこからいつも以上に湿った風が送り込まれる。こんな気圧配置では太平洋側以外での下界では天気は良くても標高が高い山は雲が湧いてガスで真っ白のパターンが多い。しかも金曜日は下界ではお昼くらいから雷雨があり、山ではもっと早くから雨だっただろう。

・金曜夕方の天気予報ではその前よりも土曜の予報は好転し、午前中の早い時間帯なら晴れが期待できそうだった。風も弱いとの予報。日曜日なると天候は下り坂で、土曜日の午前中だけスポット的に天気がいい予報だ。

・金曜日は通院があり会社は午後半休したのでいつもより早い時刻に出発が可能で、睡眠時間が確保できるので時間がかかる鹿島槍に久しぶりに出かけることにした。最短コースの赤岩尾根経由で所要時間は5〜6時間と予想。午前0時くらいに出発すれば山頂で日の出を見られそうだ。昨年はガスって何も見えなかった記憶があるが、今の予報では確実とは言えないがそこそこ大丈夫と思われた。

・今の時代は鹿島槍に登るコースは柏原新道経由が圧倒的で、赤岩尾根コースを歩く人は非常に少ない。金曜夕方の大谷原駐車場の車は5,6台。昨年は橋を渡った先の駐車場は工事業者のプレハブが占有して使えなかったが、今年は使えるように復元されていた。こちらの駐車場は松本ナンバーの車が1台のみ。

・0時ちょっと前に起床。空を見上げると薄雲が出ているが月も星も見えている。県境稜線の様子は分らないが期待できそうな天気だ。軽く飯を食って0時半前に出発。9月に入って真夏より気温は下がった感じはするが、南風が入っているので例年の平均気温よりは高いし湿気も多いだろう。谷を吹き降りる風が心地いい。

・昨年工事していた砂防ダムはまだ工事中。その先も林道は大型車両が通行するようで路面状況は良好。昔は大きな石が置かれて直進する林道は通行止めだったが、そこは通行止めが解除されて登山道に続く右の林道の方が廃林道になっている。これは昨年と変わらず。まだ廃道化は進んでいないが、このまま上流で工事が無いと数年で草ぼうぼうに変わってしまうかも。

・堰堤で対岸に渡る前に北股本沢で水を汲む。今回はルートが長いので300ccほど。これで濡れタオルの水冷用と合わせて持つだろう。

・林道終点から堰堤のトンネルまでは昨年同様に草がはみ出している。この辺が柏原新道とは整備状況が異なる。あちらは利用者が多いからなぁ。

・赤岩尾根は傾斜が急で効率よく高度を稼いでいく。時々樹林の隙間から月明かりが照らす。道は良好でLEDライトの光だけでも迷う心配はない。何せ尾根の一本道で、ルートが分かりにくい河原のような箇所は皆無だ。

・右手に石室が登場するとその少し先が遭難慰霊レリーフのある岩壁直下。夜は確認できないが明るい時間帯ならは頭上の岩壁にレリーフが見えるだろう。

・高千穂平直下を巻いて高千穂平の標識が立つ肩に到着。ここは樹林が開けて眼下に大町市街地の夜景が広がる。冷池山荘のテント場の光が見えた。

・この先はそれまでの深いシラビソの樹林帯からダケカンバが中心の開けた尾根に変わり、森林限界が近いことを感じさせる植生に変わる。まだ真っ暗であるが右手には鹿島槍の稜線がシルエットではっきりと確認でき、稜線には雲がかかっていないことが分かった。このまま好天が続くことを祈ろう。上空は出発時と同じく薄い雲がかかっており、月の周囲に虹色の光の輪ができている。

・冬から残雪期は雪でトラバースが危険なガレ場も9月では雪のかけらも残っていない。凍っていなければ鎖を使う必要もなく安全に通過可能。

・出発から約3時間で県境稜線(赤岩尾根分岐)に到着。まだ真っ暗であるが立山、剱岳の稜線のシルエットがはっきりと見えており、あちらにも雲がかかっていないことが分かる。本当に天気は期待できそうだ。既に鹿島槍に向けて登っている登山者のライトの光が見えた。

・赤岩尾根分岐から2387m鞍部までは比較的風が良く抜けてこの時刻では寒いくらいだが、鞍部で樹林帯に入ると風は無くなり、その先もテント場を抜けて登山道が稜線西側に移ってハイマツが低くなるまでは風がブロックされた地形が続く。

・冷池山荘入口付近の建物内はまだ真っ暗でどの部屋もライトは点いていない。これから出発する登山者は1名のみ。玄関前を通過して北側の建物内は廊下に照明が点灯していた。

・昨日は平日なのでテント場のテントの数は数張程度。おそらく昨日は雨に降られただろうが今は星空で風も弱い。テント組も活動開始していた。

・テント場からしばらくは稜線東直下を歩く。さすがに夏の花はおしまいで、暗闇の中ではヤマハハコやオヤマリンドウくらいしか見えない。帰りにじっくり探しながら歩こう。でも帰りに見かけたのは多数のトウヤクリンドウ、イワギキョウ、イワツメクサ、ミヤマコゴメグサの他は例外的に僅かに残っているタカネツメクサ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイくらいであった。

・登山道が稜線西側に移ってハイマツが低くなり再び森林限界を突破。これより上部はもう樹林帯は無い。西寄りの弱い風が涼しくて心地いい。前方を歩くライトの数は少なくとも2つは確認できた。

・傾斜が立ち上がると布引山へ向けてのきつい登りが始まる。ジグザグを切っているのでまだマシだが、小屋からここまで緩やかな稜線歩きが続くので体が「登りモード」に切り替わるまで少し時間がかかる。

・登りきると布引山山頂に到着。先行していた1人にほぼ追いつくが、写真撮影している間に再び距離が開く。ここからだと大町市街地の夜景がきれいだ。冷池山荘を出発した後続登山者の光がいくつか見えていた。種池山荘の光も確認できた。

・今日は雷鳥の姿は見えなかったが2か所で鳴き声を聞いた。1回は山頂付近であり、よ〜く探せば姿を見つけられたかもしれない。

・布引山から山頂までは最初は緩やかな稜線だが山頂に近付くと急な登りに変わる。そろそろ出発から4時間半近いが、LEDライトの光が急激に弱まってきた。大天井岳に登った時にも途中でライトが電池切れしたが、単3電池用を単4→単3アダプタ使用で単4ニッケル水素電池を使っているので、公称使用時間8時間まで持たないのだった。幸い、日の出まで約30分の4時50分くらいで森林限界ならライトなしでかろうじて歩ける程度の明るさになっていたので、ここでライトの出番はおしまい。

・山頂への登りの途中で後続の1人に追い越されたが、こちらは出発から休憩なしで5時間近く歩き続けているので、宿泊者に追い越されるのは当然のことだ。ただ、疲れたとは言っても限界近くではなくまだ体力には余裕がある。鹿島槍日帰りでこの程度の疲労で登れれば自分としては十分だ。

・きつい登りが終われば鹿島槍山頂(南峰)に到着。日の出に間に合った。ただし東の空は高い雲海で日の出は遅れそうだ。残念ながら奥日光の山々は雲海に沈んで見えなかった。その代りに今日は南アルプスの展望は素晴らしく、中央アルプスに隠れてしまうギリギリ手前の中ノ尾根山まではっきりと見えていた。八ヶ岳もよく見えており、その左側には三宝山から金峰山にかけて奥秩父の高峰が見えていた。南〜西〜北へと連なる北アルプスの山々も雲がかからずにすっきりと見えていた。気圧配置的には南から湿った風が入って湿度が高く空気の透明度は悪いと予想していたが、それを裏切る展望だった。ただし、湿度が高いのは事実で、雲海が下がって見えてきた浅間山の水蒸気が雲となってはっきりと見えていたし、上空を飛ぶ飛行機の後ろには飛行機雲がくっきり。それに8時前から稜線付近で信州側から雲が湧きだした。いずれも空気中の水蒸気量が多い証拠だ。

・昨日入山した人に昨日の天候を聞いたら案の定天候は悪く、午前の早い時間帯からガスが出てきて展望は無かったとのこと。それでも今日これだけ見えればその鬱憤も十分に晴らせただろう。

・この時間では日帰り登山者はまだ到着しないので、小屋泊まりやテント泊の登山者ばかりで人数は少なく静かな山頂だった。半分くらいが小屋から往復で、半分くらいが五竜岳方面へと縦走していった。私が山頂にいる間にやってきたのは合計で2,30人程度だった。

・今回から新調したデジカメに切り替えた。前回まで使っていた機種と近縁の機種なので取説を読まなくても操作性はほぼ同一で分かりやすい。発売開始時期はほとんど同じだと思うが、ソフトウェアが改良されて操作性が向上していた。ただし、シャッターボタンと動画ボタンが隣接しているのは変わっておらず、動画ボタンを間違って押してしまうことがたびたびある。動画撮影の頻度は低い、というよりほぼ皆無なので、私にとっては動画ボタンは無い方が良いのだが。

・先代と今のデジカメは意外と重いのは難点。光学ズームで30倍が得られる影響か。シャットダウン時間は先代カメラ短くなっているような。前回のデジカメはこれが長かった。当然だが新品なので画質は問題なし。ワイド端でも画像の縁が歪むことはないし、ピントが無限大なのにマクロ撮影モードになることもない(笑)。

・鹿島槍山頂からの展望写真用に時刻を変えて何度かパノラマ撮影。日の出近くでは影の部分が広すぎて黒潰れで見えなくなってしまう場所が多くなるので、日が高くなってからの画像の方が見栄えがいいのだが、今日のように湿気が多いと早い時刻から雲が湧いて展望を邪魔するようになる。空気が乾いた秋の方がいい写真が撮影できるので、もっと涼しくなってから再訪するか。

・頭上や富山側は晴れているのだが信州側から湧き上がる雲が徐々に増えて展望が悪くなってきたので、名残惜しいが8時に下山開始。まだポツリポツリと登ってくる人とすれ違う。この時間だと種池山荘発の人の他に日帰りの人も含まれるだろう。

・9時前にテント場に到着したが、さすがにこの時間では本日の新規テント泊客はまだ到着していない。今残っているテントの主は鹿島槍を往復しているのだろう。ここでも富山側は晴れているが信州側からガスが上がってきている。ガスが切れるタイミングでブロッケン現象が見られそう。

・まだ静かな小屋前を通過すると20人程度の大パーティーとすれ違う。今年初めてのツアーらしき団体であった。ただし大手のツアー会社ではなく小さなところだろう。

・2387m鞍部で短い樹林帯を抜けて砂礫の斜面の登り返し。ここは風が吹き抜けて涼しい。既にガスはここまで迫ってきた。

・赤岩尾根分岐で人間ではなく濡れタオルに水分補給して赤岩尾根を下り始める。風が稜線でブロックされると直射日光が照りつけると暑い! 信州側はずっとガスの中で涼しいだろうと思ったら、意外に雲の切れ間があって日当たりが良かった。高千穂平直下以下は樹林帯に入って日陰が大半なので比較的涼しいが、それまでは晴れていると直射日光が当たるような明るい場所が多い。

・日陰に入っても高度が落ちると気温が上昇して汗が噴き出す。濡れタオルと扇が大活躍。西俣出会で気温は+20℃を越えていた。私にとってはこの温度で運動すると汗だくになってしまう。運動するなら気温は+10℃以下が望ましい。

・赤岩尾根コースは利用者が少ないが、土曜日なのにすれ違った登山者は僅か1名だったのには驚いた。これはいくらなんでも少なすぎる。日曜の天気予報はあまり良くない影響があるのだろう。下山しているのを追い越したのも1人だけ。

・堰堤のトンネルを抜けた対岸で待望の水浴び。もう9月というのに今回が今年の中で一番汗をかかされた。冷たい水で全身を拭うのは最高だ。今年は林道終点から沢に下る踏跡は背の高い草に覆われて藪化していた。

・残りは長い林道歩き。この間も登山者の姿は皆無。砂防ダムの工事現場では土曜日でも工事をやっていた。ご苦労様。

・工事車両が入っている間は林道入口のゲートは開いていて、代わりに番号鍵がされた鎖の車止めがされていた。

・橋の北側の駐車場は私が出発した時より車が1台増えただけ。隣の松本ナンバーの主はまだ戻ってきていなかった。

・着替えを済ませて車に乗り込み、対岸の駐車場で写真撮影をしていると、途中で追い越した男性が到着。栃木県の小山市からやってきたとのことであった。昨日はガスガスだったが今日は晴れてよかったと話していた。

 

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